花の万博

2006年2月15日

ちくま版三国志、ようやく読了。が、総じて私的評価は低い。

まず訳がダメダメ。いわゆるそっちの研究者の手による訳本の時によく
現れるケースだが、日本語の語彙が貧弱…どころではない。
なんというか、大学生に宿題でやらせたんじゃないかというレベル。
さすがに注釈はきちんとした文章なのだが。(教授の補足?)

しかしこの注釈にしても問題がある。
まず、付与基準が全くといっていいほど統一されていない。たとえば、
上奏文の中に引用されている歴史ないし文学の元ネタを補足する、のは
良いのだが、それが全てにわたっているわけではなく、一部の、しかも
大抵はよく知られたエピソードばかりに特化されている。
ひどいものは「『漢書』xxxを参照」といったクロスリファレンス先を
補足するに留めているケースまである。まぁどうせならこちらに統一して
くれた方がまだマシだったとも言えるが。

というわけで、ちくま版に興味を持っている人へワーニング。
ネットで閲覧できる原文を読んだ方が100倍マシ。
強いて言えば、これの訳を補助として原文を読み、自分なりの解釈と
翻訳を試みるのがベストかもしれない。なので、

 読まんでいい。

買わんでいい、とは言わないでおいてやろう。

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